特別ゼミ ひらりさんをゲストに迎えて
この日は、ゼミのゲストにピースボートスタッフの「ひらり」こと吉村有以さんに来ていただきました!
ひらりさんは、ピースボートに乗っていない間は作業療法士として障がいを持った子どもたちの療育を行う仕事をしています。
そのキャリアは15年にも及びます。また、乳児院で働いた経験もあり、保育士、児童デイサービス管理者資格や相談支援専門員の資格も持っていることから、「ひらりに話を一度聞いてみたい!」という声がゼミ生から上がり実現した会でした。
まずは、作業療法士とは一体どんな仕事なのかに教えてもらいます。
作業とは、食事をとる、入浴する、着替えるなど生活に必要な動作全般を指します。作業療法士はその必要な機能を回復させるために心と身体の両方の側面からサポートをする仕事、ということです。
みんながひらりに質問タイムです。
「自立ってどういうことなの?」
こういうことをしたいから、こうしてほしい、ということをちゃんと伝えられるように動くことが「自立」であるとひらりさんは言います。
自分で全てやれることが「自立」ではなく、苦手なことを認めてどう動けるかが大事。
すごく得意なこととすごく苦手なことを分析するのが作業療法士の仕事な。その得意なことを伸ばし、苦手なことについて、ひとりで解決できない場合は誰かにお願いをすることも自立につながるのです。
真剣な表情で聞くゼミ生。たまちゃん(右側)は理学療法士さんなので、ひらりさんの話す現場の様子も細かく想像できたかもしれません。
日本は障がいがあったり高齢であったりすると、能力が「足りない」と認識され、それが「格付け」につながる風習・文化がある思う、と語るたまちゃん。
サポートする側の意識の問題も大きいとひらりさんは語ります。当事者を支えるのは「家族」と「それ以外の専門家」というふうに捉えられがちですが、そうではありません。
社会の一員であるわたしたちひとりひとりが「数」ではなく「個」を見ていくこと。その人の得意・不得意、凸凹を理解することから第一歩がはじまります。
ふーみんからはこんな質問が。
「そういう当事者のことを想像したいと思うし、多くの人に想像してもらうことも大事だと思うけれど、なかなか難しい。どうやったら想像できるようになる?」
それに対し、ひらりは「実際に体験すること」と言います。
一言で障がいやハンデがあると言っても、その中にはいろんな人がいて、いろんな困り方のパターンやニーズがあります。だから、実際に関わりながら、どうするとその人が生きやすくなるのかな?と考えることが大事なのかもしれません。
この船に乗っているだけで私たちは、その気になれば1000人近い人たちと何らかのかたちで交流ができる環境にいます。わたしたちは今、実はとっても良い「体験」ができるチャンスを持っているのだと言えるのではないでしょうか。
お昼時のデッキでそんなことを話し、深め合った一時となりました。
ひらりさん、ありがとうございました!