Global Teachers College

未来の世界をつくる「教育」という営みをテーマに、 地球一周の船旅の中で開講されるプログラム

ゼミ10(公開) 発達凸凹のお話

船内では、「多様性4days」と銘打ち、4日間で人種や文化背景、セクシャリティやその人個人が持つ発達特性など様々な「違い」を理解し合い、人は多様であることに気づき合おうというシリーズ企画が行われています。

船内の人であれば、誰でも参加できる公開講座の中の一つとして、この日は、GTCのコーディネーターであるスタッフの緑さんと、ピースボートモンテッソーリ保育園「こどもの家」のコーディネーターである佐藤愛さんが登壇。
「発達凸凹(でこぼこ)のお話」と題して、自分たちの持つ特性を話し、共有する時間となりました。

 

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緑さん、愛さんともに、診断を受けているわけではないので、正式な「発達障害」ではないとのことでしたが、日常で感じた「ちょっと困ったエピソード」や「自分の苦手なこと」また、逆に「得意なこと」をそれぞれ話していきます。


例えば、緑さんは、ADHD的特性があるということを自覚しており、長所として「閃いたアイデアに対す行動力があること(衝動のままに体が動いてしまう)」「物事を構造化して、整理することが得意」とのこと。逆に苦手なこととして、「コツコツと同じ作業を繰り返すことや、ルーティンワークができない」「行政関係の手続きなどをいつも完了させられない」といった話がありました。愛さんからも同じように「アスペルガー傾向」とも思われる自身の特性が語られました。

 

2人が話している様子に、「うんうん」と首を縦に振り共感している参加者の方もたくさん見られました。
発達凸凹の話は、必ずしも診断名がある人や、発達特性に自覚がある人だけに関わることではありません。一人ひとり得意(凸)と苦手(凹)があり、それらは表裏一体であることも多いです。周囲の環境と、本人の特性が噛み合わない時、それは本人にとって強い生きづらさとなり、周囲にとっても困った影響が出てしまいます。講座の中では、「本人の自身の特性への自覚」と「凸を生かし、凹を軽減する努力や工夫」、そしてそれだけではなく、「環境の調整」や「周囲の理解」がとても重要だというメッセージがありました。

 

一人ひとりが尊重され、持って生まれたものをかけがえのないものだと愛することができるようになる社会を目指していくためにも、まずは一人ひとりが異なるのだということを知り、共生する術を身につけていきたいものです。