Global Teachers College

未来の世界をつくる「教育」という営みをテーマに、 地球一周の船旅の中で開講されるプログラム

GTC卒業の会

報告会も終わり、いよいよ、最後の卒業の日がやってきました。
(書きながら、やりきって満足なような、さみしいような複雑な気持ちです。)

 

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船旅も、いよいよ残り3日で日本に着いてしまうということもあり
振り返りノートを持ってきて、GTC全体の振り返りをノートに加えます。
そして、それを踏まえて今後自分はどうなっていきたいのかもノートに書き込んでいきます。

 

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そして、卒業生みんなに緑さんから修了証が手渡されます。

名前を呼ばれて、前に出ます。

 

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こんなの、学校の卒業式以来でしょうか。みんな照れ臭そうです。

 

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いい顔です! 

えびちゃんは、振り返りノートをたくさん活用したいたうちの一人です。毎日行われるゼミ以外にも、水先案内人の講座、寄港地、そして仲間との時間。一瞬一瞬で得た気づきを焼き付けるように、えびちゃんのノートにはその日にあったことや考えたことが刻み込まれていました。
惜しむように学び、自分の内面を追い続けたGTC生。「やりたいことってなんだろう?」と船旅の初期のほうに話していたえびちゃんですが、船旅の終盤では表情が明らかに違っていました。自主企画やゼミ内においても、いつも議論が難しくなってきたタイミングで的確なファシリテーションをしてくれました。人を活かす場をつくることができるえびちゃんの今後が楽しみです。


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渡された証書を持ち、笑いながらその場にしゃがみ込むしほちゃん。
たくさん想いが溢れ、迎えた卒業の日です。
しほちゃんは、自分の得た感覚を捉えきるということに人一倍向き合ってきました。
そして、その感覚を伝えるための「言葉」を紡ぐことを妥協をしない人でした。

そんなしほちゃんから発する言葉ひとつひとつは、誰かに借りた表現ではなく、しほちゃんの全身全霊が込められたものです。
今は大学生のしほちゃんですが、地球1周を通してどんな世界を見て、これからどんな表現をしていくのでしょうか。数年後、どんな言葉を話す大人になっているのか、楽しみでなりません。

 

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あーりー。
いつもみんなをよく見て、ツッコミを入れる担当の彼女。教壇に立った経験上もすでにあるあーりーは下船後はまた現場に戻っていくことになるようです。
どんな形で戻るかは、これから本人が決めていくのでしょうが、「いろんな世界を体験して、歴史も文化も学び続けていきたいし、そういう気持ちが大事」と船旅で撮ったインタビューで語ってくれていたあーりーは、学び続ける教師になっていくことでしょう。
「まじめとテキトーの共存」と緑さんにキャッチコピーをもらったあーりー。オンとオフがはっきりしているのは、教師自身が元気で過ごすことの大切さを知っているが故なのかもしれません。しかし、常にあーりーの視点は子どもが中心にある。だから、子どもにとって不条理なことにたいして厳しい視点も持っています。日本の学校現場に戻って新しく何を感じ、どう行動に移していくのかが、期待を胸に見守りたいと思います。


全員についてここで語ることは超長文になってしまうのでできませんが、11人のGTC生たちは、この3ヶ月半を通して、自分と向き合い、仲間と磨き合い、全身で学んできました。そんな仲間と一緒に学べたことを心から誇りに思います。

 

最後に、卒業証書にしたためられた緑さんからGTC生たちへのメッセージを。


*  *  *

グローバルティーチャーズカレッジ第1期を卒業するあなたへ


あなたは、船旅を通して自分の選択をする、勇気を出して自分を表現する、それらに責任を持つ、そういうことに一つ一つ向き合ってきました。

話す言葉が変わった。集中力が変わった。参加の仕方が変わった。顔つきが変わった。話し合いの質が変わった。

その変化にわたしは勇気をもらい、希望を感じ、勇気づけられました。
GTCという場を、この手で、仲間と一緒に作り上げてきたことを忘れないでほしいと思います。
そして、それができた自分をこれからも信頼してください。
わたしはみんなを心から信頼しています。

 

みんなが学び続けるグローバルティーチャーズとして

人を支え、刺激し、力付け、平和な社会をつくっていってくれることを願って。

 

第92回ピースボート地球一周の船旅 
GTCコーディネーター 武田緑

ゼミ39-34 最終報告会に向けて

振り返りが終わり、この3ヶ月半の船旅で得た知識の整理がひと段落しました。

そして、船を降りた後のことについての話題が増えていきます。一体私たちは、陸に降りてからどうなっていくのか?わくわくも半分、不安もありました。

 

そんな中、

「GTCで得たものを何か外にアウトプットしたい」

「自分たちのやってきたことが何だったのかをまとめたい」

「まとめるだけではなく、体現、表現したい」

「みんなで最後に一つのことに向かって進んでいきたい」

という声が上がります。

 

最終報告会というかたちで、GTCゼミを最後に締めくくって終わろう、ということで準備が始まりました。 

 

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会のシナリオを考えます。

 

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それぞれがイメージする最終報告の形をすり合わせていきます。

最初の頃は、それぞれが遠慮しあっていたり、話の糸口を探り合っている姿がよく見られたメンバー同士のディスカッション。話すべきテーマが自分ごとになりきらず、少し遠くに感じて戸惑ってしまったこともあったかもしれません。

しかし、今は違います。

発言するのも、聴くも、みんなが今必要な役割を意識して、「この場にいたい」という気持ちで参加しているのが伝わるのです。

「みんなでつくりたい」という気持ちが一体になりはじめているようです。

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話し合いは3度、4度と続きます。
ゼミの時間が終わっても、「もう一回集まろう」「もう少しここを詰めよう」
という声が上がります。
「もういいじゃん」とは、誰も言いません。

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普段はひょうきんで、ムードメーカーな社長。打って変わって、話し合いの時はほとんど話さず静かに聞いています。もしくは、ただひたすらに、いつも彼が持ち歩いているノートに何かを書いています。
そして、もう、にっちもさっちもいかない、ここぞという時に決定打を放ち、助けが必要なところにそっとアシストを入れてくれます。それは、簡単にやっているように見えて、どれだけ彼自身が自問自答して導き出したものなのだろうと、いつも考えさせられます。

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最初の頃は、「ディスカッションで話す内容についていけない」と言っていた高校3年生のファンタ。アイデアを出し、それが廃案になってもまた新しいアイデアを出す勇気。伝えたいという気持ちが湧き上がってくるのはなぜなのでしょう。爆発的に発言量が増えました。彼の素朴な疑問や、むき出しの言葉がみんなの心に刺さり、チームを前に進める原動力になります。

 

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最初の方は、聞き役が多かったももちゃん。今は自分の意見を伝えたり、通じ合っていない話の論点があれば仲介を入れてくれる、そんな存在です。絵で表現するのがももちゃんというイメージがありましたが、GTCでのももちゃんは、その場全体がキャンバスであり、彼女のあり方そのものが、"表現"だったと思います。



いつも、ゆったりとしているようで、みんなのことを本当によく見ているまっきー。
みんなの空気がピリピリしたり、疲れを感じていることにもよく感じとってくれています。必要な場面では言葉を添えてくれる、いると安心できる、そんな存在です。

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その場の翻訳者のような知亜。今何が起きているのか、誰が困っているのか、何がこれから必要なのか、その場の文脈を理解するだけではなく、みんなが腑に落ちやすい言葉でいつも発信してくれます。それも「答え」となることばかりではなく「わたし今、ここが分かんないんだけど、こういうこと?」「それ、超いいじゃん!」と率直な疑問や感情をさらけ出してくれる人です。みんなで何かをつくり上げる時の起点となることが多かったのではないかな。

 

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イメージできること、できないこと、自分がやりたいこと、そうではないことをはっきり言葉に出来るふーみん。ふーみんの関心ゴトに対する熱量が、確実にみんなに伝搬し、それが広がり、結果、大きなうねりになります。彼女は疑問に思ったことはとことん追求します。こだわりがあるのは、彼女の本気がそこにあるからだと、見ていて感じます。

 

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全体の話の方向性がどこを向いているのかを常に意識してくれているたまちゃん。自分だけではなく、ゼミ全体のこと、ゼミだけではなく、報告会に来る人たちのこと、常に複数の視点を持っているたまちゃんは、誰よりも厳しくものごとを見つめられる強さを持っているのかもしれません。

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ゼミの最終発表と自分のやりたい企画のスケジュールがカツカツで、それでもどちらも手を抜かないトレジャー。人前で歌うこと、詩を書くこと、イベントを企画して回すこと、この船旅ではいろんなやり方にチャレンジしてオリジナルな学びを作ってきました。日々彼が自分に向き合うことでこそ発揮できるその力は本番にこそ、とっても強いのです。

 

報告会まであと数日。
思い思いの過ごし方で準備を進めていきます。

議論が白熱する時もあれば、そうでない時もある。ゼミ生たちを見ていると、この準備期間やその過程にこそ、たくさんの気づきが眠っているのかもしれません。

特別ゼミ テンダーさんをゲストに迎えて

この日は、水先案内人のテンダーさんに来ていただきました。

テンダーさんは、米国で先住民族の文化・ 技術を学び、現在は鹿児島で「電気・水道・ガスの契約ナシ、年間家賃1万円」というユニークな家「てー庵」で生活しています。


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ゼミは始まる前のおしゃべりで、風の谷のナウシカの話になります。

ナウシカには思い入れのあるテンダーさん。ゼミ生のちあが、ここ最近一気にジブリ映画を見たことで「ラピュタ」と「ナウシカ」を混同してしまっていることにショックを隠しきれないご様子(笑)

 

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 ナウシカをとてもリスペクトしているそう。 

そんなテンダーさんの本日の話のタイトルはずばり「野糞」!

「は?GTCで何でそんな話?」と思うと思います。しかしこのゼミ、すごく豊かに学べる時間になったのです。だまされたと思って最後までお読みください。

一体どんな内容になるのかみんな期待に胸を膨らませながら?ゼミはスタートします。
軽快かつ個性的な語り口で、GTC生の関心を集め、惹き込んでいくテンダーさん。

 

「自分たちの”下水”のシステムがどうなっているのか知っているかい?」

冒頭、そう問いかけられます。


「下水管に運ばれる・・?」


テンダー「そのあとどうするの?」


下水処理場で処理される」


テンダー「下水処理場ってなに?」


「汚い水をきれいにするところ?」


テンダー「そのあとどうなるの?」


という具合で、自分たちの排泄物がどのように処理されるのかを辿っていきます。

 

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下水処理場で薬?に付けられて水がきれいになるんだっけ?」


テンダー「おお、きれいになった水はどうなるの?」


「川に戻る」


テンダー「最終的にうんちは川に戻って、川に戻るとどうなる?」


「汚れる」


テンダー「なんで汚れるの?」


「消毒したものが川に入って、川に混ざってしまう…?」


「あれ、うんこって環境に悪いのかな…?」

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下水処理場で消毒するときにリンや窒素が含まれるのですが、それは最終的に海に流れます。窒素汚染された海は魚が住めなくなるなどの弊害があります。窒素が入ってくると藻が増え、その藻が大量の酸素を使うために海が磯焼けや赤焼けと呼ばれる状態になり魚がいなくなるという状態になります。

話はテクノロジーの話にうつります。

ハイテクは、自分たちの設定した目標値しかカバーができません。しかし、先住民持続がこれまで1万年もつないできた伝統的な文化や風習は、それが受け継がれる理由があるほど地球にとって合理性があるとテンダーさんは話します。

 

「だってトイレがない土地で人びとが野糞をしたって、地球は野糞まみれになっているかい?」

「おれの経験上、野糞におがくずをかけてそのまま放置しておいたら、3時間あとにはほぼなかった!ってこともある。自然界の微生物からしたら超栄養分が含まれてるごちそうなんだぜ!」

 

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だんだん野糞の話が、地球の話、これからの自分たちの生活の話と壮大になっていきます。

 

ここでテンダーがどうしてもみんなに理解してほしいというエッセンスが伝えられます。

それは「改善と解決の違い」。

 

改善のモデルは、ものごとが−300の状態から−3に変えること、といいます。例えば、環境に良い石鹸を使って食器を洗うことなどがそれにあたります。環境活動のモデルのほとんどのものは、この改善モデルの話をしています。

それに変わって「解決」はそもそもマイナスを生まないこと。例えば、小皿に残ったお醤油は分解するのにその何百倍もの水をを必要としますが、食器を洗う前にお醤油を土の上にこぼしてしまえば、それは分解され、まったく川や海を汚しません。

 

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野糞を土に返すことは、地球の生物にとってもご馳走になるし、それによって海の生物が死に絶えたり、地球にリンや窒素が蔓延することもなくなるという意味で根本的な解決になるという話です。

 

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「へー、野糞・・・すげー」

 

最後に、若者が自分たちでできることを増やし、自分たちで解決モデルを回せるようにとの願いも込められ、テンダーさんからロープワークを伝授します。

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これからの時代を生き抜くために必要なことは、「専門家に頼るのではなく、自分でやること」と語るテンダーさん。

 

みんなの心に衝撃的なインパクトを与えた1時間半となったのではないでしょうか。
ちょうど、この直前にここまでの学びの振り返りでESD(羽後さんがゲストで来てくれたゼミ)の内容を思い出していたので、まさにそれとピッタリつながる、ベストタイミングなレクチャーでした。学んだことがどんどんつながっていく感じにGTC生も興奮している様子でした。

テンダーさん、ありがとうございました!

 

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ゼミ36・37・38 セメスターごとの振り返り会



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前回のゼミで決めた通り、これまで学んだことの振り返りをしていきます。

3日間とも、ファンタがアイスブレイクをまわしてくれました。
リヒテルズさんの話を聞いたり、オランダやフィンランドの学校現場を見て、本題に入る前に場を和ませるって学ぶうえですごく大事なんだ...と気づいた彼は、それ以来すっかりアイスブレイク担当です。
 

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振り返りでは、セメスターごとに重要だったと思うキーワードを出し合い(ホワイトボード参照)、そのワードについて自分たちの言葉で説明しながら互いに理解を確認していきます。さらにそのことを学んだ時に感じたり考えたりしたことも共有。

最近はコーディネーターの緑がしゃべることはかなり減り、思考を深める作業も、タイムキープもGTC生が自らやっています。中でも、あーりーはタイムキープ力が特に高く、いつも残り時間をみんなに意識させてくれます。

3日間の振り返りが終わり、資料をポートフォリオに綴じた時、

ちあは「いっぱい学んで、いっぱい考えたなって思えて、幸せ」とつぶやきました。

 

学んだことはたくさんある中で、それをどう生かすかまで考え、こういった幸せな振り返りの場がもてたこと自体がGTCというチームの成熟の現れのように感じます。

特別ゼミ ひらりさんをゲストに迎えて

この日は、ゼミのゲストにピースボートスタッフの「ひらり」こと吉村有以さんに来ていただきました!

 

 

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ひらりさんは、ピースボートに乗っていない間は作業療法士として障がいを持った子どもたちの療育を行う仕事をしています。

そのキャリアは15年にも及びます。また、乳児院で働いた経験もあり、保育士、児童デイサービス管理者資格や相談支援専門員の資格も持っていることから、「ひらりに話を一度聞いてみたい!」という声がゼミ生から上がり実現した会でした。

まずは、作業療法士とは一体どんな仕事なのかに教えてもらいます。

 

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作業とは、食事をとる、入浴する、着替えるなど生活に必要な動作全般を指します。作業療法士はその必要な機能を回復させるために心と身体の両方の側面からサポートをする仕事、ということです。

みんながひらりに質問タイムです。

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「自立ってどういうことなの?」

こういうことをしたいから、こうしてほしい、ということをちゃんと伝えられるように動くことが「自立」であるとひらりさんは言います。

自分で全てやれることが「自立」ではなく、苦手なことを認めてどう動けるかが大事。

すごく得意なこととすごく苦手なことを分析するのが作業療法士の仕事な。その得意なことを伸ばし、苦手なことについて、ひとりで解決できない場合は誰かにお願いをすることも自立につながるのです。

 

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真剣な表情で聞くゼミ生。たまちゃん(右側)は理学療法士さんなので、ひらりさんの話す現場の様子も細かく想像できたかもしれません。

 

日本は障がいがあったり高齢であったりすると、能力が「足りない」と認識され、それが「格付け」につながる風習・文化がある思う、と語るたまちゃん。

サポートする側の意識の問題も大きいとひらりさんは語ります。当事者を支えるのは「家族」と「それ以外の専門家」というふうに捉えられがちですが、そうではありません。

社会の一員であるわたしたちひとりひとりが「数」ではなく「個」を見ていくこと。その人の得意・不得意、凸凹を理解することから第一歩がはじまります。

 

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ふーみんからはこんな質問が。

「そういう当事者のことを想像したいと思うし、多くの人に想像してもらうことも大事だと思うけれど、なかなか難しい。どうやったら想像できるようになる?」

それに対し、ひらりは「実際に体験すること」と言います。

 

一言で障がいやハンデがあると言っても、その中にはいろんな人がいて、いろんな困り方のパターンやニーズがあります。だから、実際に関わりながら、どうするとその人が生きやすくなるのかな?と考えることが大事なのかもしれません。

 

この船に乗っているだけで私たちは、その気になれば1000人近い人たちと何らかのかたちで交流ができる環境にいます。わたしたちは今、実はとっても良い「体験」ができるチャンスを持っているのだと言えるのではないでしょうか。

 

お昼時のデッキでそんなことを話し、深め合った一時となりました。

ひらりさん、ありがとうございました!

 

ゼミ34・35 GTCこれからどうする会

寄港地以外、ほぼ毎日のペースで一コマずつ行ってきた洋上カリキュラムGTC。

学びたいことがたくさんあり、もともとカリキュラムになかったプログラムもふんだんに盛り込んだところ、実は洋上生活をあと3週間ほど残し、準備していたコマ数を達成することができてしまいました。

ということで、GTCの今後のあり方を考える、その名も「GTCこれからどうする会」をこの日は開催しました!
ここまでで学んできたことを振り返るのか、それともまだ学び足りないものを発展的に学ぶのか、あるいはゼミは一旦クローズして自主的に学ぶ場として継続させるのか...。

実際に、こうやって自分たちの学びを自分たちで責任を持ってデザインできることの面白さを体感してもらうべく、日頃はファシリテーション側に立つコーディネータの緑さんもこの日は発言を控え目モードです。

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いったんみんなが感じていることを出し切っちゃおう!ということで、ホワイトボードにたくさんの意見が連なります。

いったん自分たちがGTCで何を学んだのかを消化したい、ということで一致して、セメスターごとの振り返りを行うことが決定。


そして、その先に船旅を共にしたGTC以外の人たちに全体に向けた報告会を、行うのか否かまで議論は広がりました。

 

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翌日は、前日にやろうと決まった「ここまでの振り返り」の仕方を話し合いました。
どれぐらい時間をかけるのかも議論。各セメスターごとに学んだことを事前に個人で振り返ってきた状態からスタートして、3回かけてここまでで学んだことを振り返ろう、ということになりました。 
どのレベルまで振り返るのかについてもゼミ内で議論になりました。

「自分が感じたことや、学んだことまで話したいけれど、それを始めると収集がつかなくなるかもしれなくない?」そんな声も上がりました。


いったん、情報の確認や整理の場として全体が集まるゼミの時間を活用し、そのあとは個人個人で船内で振り返るのがよいのではないか?という意見にまとまりました。


次からは振り返りに入ります。GTCもいよいよ終盤です。

ゼミ31・32・33 中間発表

第三セメスターに入り、船旅は後半戦に差し掛かり一息ついた頃、ゼミで中間発表を行うことがみんなに言い伝えられました。 

それぞれ、自分の学びを自分でデザインすることを目標に、個人で知りたいことや深めたいテーマを設定します。

インタビューや今まで重ねてきた寄港地でのフィールドワークで得た資料をもとに、それぞれが考えたことを中間発表としてプレゼンテーションを行いました。

 

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図書館について発表したふーみん。

 

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自身のリハビリの仕事とGTCでの得た"主体性"についての学びを結びつけて発表した理学療法士のたまちゃん。

 

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船内で共同生活をする親子、特にそのお母さんに着目をし、子育てについて深める中で、自分自身の「育てられた体験」振り返ったまっきー。

 

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言葉にすることが難しいけれども、でも誰もが持っている人間の本質的な部分や深層に迫り探究しているしほちゃん。


GTCの学びは、今やゼミの内部だけにとどまりません。

GTC生が船内の自主企画で「しゃべり場」という企画を打ち出した縁から、その運営を一緒にやっていた実行委員も聴講に来ています。

また、同じ"表現者"として、GTC生のももちゃんと同志である、参加者でシンガーソングライターの「みこちゃん」こと花坂美里ちゃんもこの日はももちゃんの発表を聞きにきています。

 

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それぞれが、自分の日頃考えていることを、言葉や、詩や、絵や、写真など様々な表現方法を用いて伝え合い、深め合った中間発表。

誰もが、本当に、いきいきとした表情で自分のプレゼンテーションをしている姿に、確かな変化・成長を感じました。